尊と手を繋ぎながらあれこれと見て回ったり、選んだりするのは楽しくて幸せを感じる。
途中、ジュエリーのお店に足を止めそうになった。
ウィンドーの中を見るだけでも見てみたい。
でも尊のことだから“買う”なんてこと言いかねない。やっぱり結婚指輪はじっくり選びたいじゃない?
でもなあ、お互いスポーツやってるしそういうのは怪我の素になる。
今はしない方がいいんだからもう少しお預けかな。
昔、想像してた花嫁さんとは随分かけ離れた結婚だけど、でもいいんだ。
尊の側にいられるから。
尊はどうなんだろ?
幸せかな…?
時々すれ違う人がちらりと振り返る。
テニス選手の天宮尊と気づいているのか、それとも尊のイケメンぶり(友美談であって、咲が思っているのではない。念のため)に二度見してるのか。
どっちにしてもちょっとばかり優越感。
でもそんな風に幸せいっぱいの気持ちでいられたのは、この日までだった。