子どもの勘…とでもいうのだろうか。

この時、もう尊とは会えないような気がした。

「タケルくんとまた会える?」

「大丈夫。ちゃんと会えるよ。」

この言葉に少しだけホッとしたものの、不安は拭えなかった。そしてその不安を拭い去りたくて、車の中から道を忘れないように必死になって外を眺めた。

いつでも尊に会いに行けるように。

自分の家に帰れるように。

幸い道は一本道で覚える事はできた。

それまで通っていた保育所を辞め、住む場所も四キロも離れた施設へと変わった。