一週間後、お兄さんに呼ばれて検査を受けた。
相手の男性も今日、検査をするらしい。
お兄さんの家を出た後、しばらく物陰から様子を窺ってたけれど、誰も出入りをする様子はない。
お父さんかもしれない人がどんな人なのか、一目見ようと待ってたけど…仕方ないな。
もう帰ろ。
西の空に陽が沈み、辺りは暗くなってきた。
暮れるのが早くなってる。
あ、一番星。
今日は星がよく見える。
…銀杏並木…行こうかな。
ぶらぶらと歩き始めた。
銀杏は青々とした葉で覆われて風に揺れている。
銀杏を見上げて問いかける。
お父さん…て誰?
近くに住んでるのかな。
お兄さんの心当たり…て誰だろう?
誰も来なかった。
日曜日だよ?
夜に来るのかな。
………。
チリンチリン…
自転車が通る。
キィィ――!
振り返ると尊が立っていた。