「………」

「天宮くんを誘うと咲は必ず『私も入れて!』てやってくる。
一緒に遊ぶと天宮くんは咲ばかり構うから、ある日『駄目!』て言ったんだよね。
そしたら彼は『咲も一緒じゃなきゃ遊ばない』て…。
悔しかった。何で咲だけ特別なのか。私も特別になりたかった。
でも突然咲が来なくなって、天宮くん寂しそうにしてた。
だからいつも励ますつもりで『遊ぼう。』て誘ってたんだ。
でもね、いなくなって独り占めできると思って嬉しかった。」

あの時見た夢は本当にあったことだったんだ。
全然記憶に残ってないのに頭の片隅にあって、何でもない時に心が思い出したんだろう。
トモちゃんというのは友美のこと。
怖い顔して睨まれたのは友美の心…。

「中学でまた一緒になって咲は覚えてないみたいだったから、特に何も言わなかった。だって天宮くんも忘れてたみたいだったし、それなら嫌なことをした友美を忘れたまま、新たに友だちとして接したかったの。」