「まだ決めてない。でも物質的なものより…心に残るものが欲しい。」
「じゃあ、去年みたいにハグするの?」
「それは…あれからハグの回数が増えたから他のがいい。」
「ふうん。…じゃあ、キス?」
途端にブワッと熱くなった。
そんな言葉を何でサラッと言えちゃうの?恥ずかしくて頷くこともできない。
赤い顔のまま尊を見つめていると、あまりの恥ずかしさに涙が溜まる。
「う…ぐすっ……。」
部屋を出ようと立ち上がった咲を尊は引き止めた。
「何で泣くの?」
「だっ…て、こんなこと…頼むなんて……恥ずかしい…。今の聞かなかったことにして。……離して。」