「お疲れ様~。乾杯!三位おめでとう、尊。」

おじちゃんやおばちゃんにお祝いしてもらった後、尊の部屋で二人だけの祝杯をあげようとしたのに…。

「………。」

「あれ、嬉しくないの?おじちゃんやおばちゃんの前では嬉しそうにしてたじゃない。」

「いや、そうじゃない。」

「だったらもっと嬉しそうにしたら?」

「…うん。咲に…先越された。」

「はあ?何のこと?」

「咲は一位で俺は三位だから。」

「あのねえ、大会のレベルが違うの。尊のは全国でしょ。日本の高校生の中で三番目なんだよ。もっと喜べばいいじゃない。私なんか足下にもお呼びませーん。」

手をひらひらと振って見せた。

「何を気にしてるのかと思ったら…。」

「だってお祝い無しだろ?」

そっぽを向きながらボソッと呟く。

「………。」

え…まさか、それ気にしてたの!?
そんなに欲しかったんだ…。

「…あの、そんなに欲しかった?」

俯いたままコックリ頷く。

「じゃあ、何?言ってみて。」

「咲は…咲は何がいいの?」

うーん、決まってないことはないんだけど。