俺の真面目な面持ちにやっと気づいたのか、透も真剣な顔つきになる。
「…マジ…かよ？」
「……ああ。」
透はショックを隠しきれなくて、ガックリ首を項垂れた。
「……それ、いつのことだよ？」
「…11年前。」
「11年!?…博貴は…知ってたのか？」
「ああ。つい最近な。」
なぜ透はこんなにショックを受ける？
俺のことをからかって楽しんでたんじゃないのか。
「博貴は…面白半分に俺がちょっかいを出してたように見えたかもしれないけど…本当は…俺、彼女のこと好きだった。
歳が離れてたけど、彼女の素直さや、奥手でウブな感じが…歳の差を意識することなくて…。
ムキになって博貴たちの邪魔をして…悪かった。
まさかこんなことになるなんて…。
彼女がいなくなったと聞いて、俺のせいかもしれないと随分後悔して悩んだんだ。
でもきっと見つかって幸せなものだと…。
……俺を恨んでるか？」
「……恨んでる…と言ったら？」
「もう、博貴の前には現れない。」
