透に言われた通り、7時きっかりに駅に着いた。
透は俺のすぐ後にやって来て、行き付けの店だと言って駅から程近い居酒屋に案内する。

ビールを注文して、久しぶりの再会に少々興奮ぎみの透と乾杯した。

「何年ぶりだっけ?」

「…さあ。」

透は指折り数えてる。

「17年…か?そんなに経ったんだな。」

昔に思いを馳せているのか沈黙が流れる。

「あの頃が懐かしいな。競争して抜いたり抜かれたり…。高校の時が一番楽しかったよ。水泳しかやってなかったからそればっかりだけどな。充実してた。」

………。

「タイムが縮んでいくのが嬉しくてさ。
でもお前が水泳を辞めてから張り合いがなくなって…コーチに叱られてばっかりだった。
結局選考会にもれて大学の卒業と同時に辞めたよ。
お前はどうしてた?」

「………何とか生きてた。」

「はは…何だそりゃ。
あの後、雪乃さんとはどうなった?、彼女だったんだろ。一緒になったのか?」

「…いや。」

「え?あんなに仲良かったのに。意外だな。」

半分お前のせいだろ?