「よっ!先生何だって?」

「福田くんのことじゃないから。」

「そう邪険にするなって。心配して言ってるんだよ?」

歩き出した咲の後ろからついてくるように歩調を合わせてくる。

一人で帰りたい…。

立ち止まってくるりと真聖の方を向いた。

「一人で帰りたいの。ついてこないで。」

「…そんなこと言っても途中まで同じなんだから無理。」

「じゃあ、離れて歩いてよ。」

「付き合ってんのに何でそんなことするのさ?」

あ、思い出した。福田くんは先生に付き合ってると言ったんだ。

「私がいつ付き合いをOKしたのよ?そんなこと一言も言ってない。何で先生に付き合ってるなんて言うの?」

「周りから固めていけばそうならざるを得ないだろ?」

「…福田くんは私の気持ちはどうだっていいの?」

「付き合ってるうちにこっちを向かせることだってできる。」