そう言ってポケットから出した飴玉一個。

「これ食べて元気出せ!」

頭をなでなでと撫でられて、まるで小さな子どもをたしなめるような扱いに、思わず「プッ。」と吹き出した。

「一文字は気を許した相手にしか本心を見せないだろ。そうでない相手には気を使って、つい相手に合わせてしまう。だから人付き合いに疲れるんだよ。
もっと感情を表したらどうだ?
スポーツをする人間はみんな気が強い。優しいんだよ、お前は。
もっと自分の意見を伝えていいんだ。
遠慮はするな。」

先生の言葉に励まされてもやもやしてた気持ちが吹っ切れた。
自分の気持ちに正直になればいい。

「先生、ありがと。気持ちが整理できました。」

「おう!頑張れよ。」

先生の言葉に心が軽くなった気がする。

たまには全然関係のない人に相談するのもいいかも…。



正門まで来ると真聖が待っていた……。