中学校の入学式を終え、期待半分、不安半分といった複雑な心境だった。
尊と中学でも同じクラスになり、少しは心強い。
そんな中、尊はテニス部、咲は水泳部に入った。
尊はテニスが性に合っていたのか、メキメキ上達していった。夏休みに行われた試合では1年生ながらレギュラー入りして、好成績を残した。
「尊。テニスの試合、今度はいつ?」
「もうないよ。」
「えー!何だぁ、折角見に行こうかと思ってたのにぃ。」
「来なくていいって。ただでさえ先輩に睨まれてんのに、これ以上睨まれたくない。」
「え。先輩に睨まれてる?」
「見に来るの女の子ばっかでさ、そいつらが俺見て騒ぐから。」
「へえ。尊、モテんの?」
「知らね。お前は?大会あるんじゃねえの?」
「あー、私は応援だけだから。」
「ふーん。んじゃ来年は見に行ってやる。」
尊と約束をした。