「咲ちゃんのこと、どう思ってるの?」

え……

「な…何だよ、いきなり。」

「今まで黙ってたけど…」

母ちゃんの話は冷や汗が出るほど驚かされた。

雷のひどい夜に一緒に寝たり、抱き締めたり、さっきのキスも…全部お見通しだった。

「これから先のことがあるんだよ?両想いの時はいいけど、うまくいかなくなったらどうするの?
暮らし難くなったら困るのは二人よ。
私たちは家族なの。
その辺のところをしっかり考えなさい。

…どうして咲ちゃんを養女として入籍しないか…考えたことある?」

「それは…咲が一文字の娘だからだろ。咲の母ちゃんのためにそうしてると思ってるけど…違うの?」

「それもある。でもね、…あんたたち凄く仲がよかったでしょ。もし、将来お互いに結婚したいと思うとしたら、入籍してたらできないのよ。だから父ちゃんと相談して入籍しないことにしたの。
今まで二人がお互いを想いながらも付かず離れずだったのは、気持ちを伝えてなかったからでしょう。