「またまたあ。咲の応援には来れるんだから、ちょこっと会う時間ぐらいあるでしょ?紹介だけでいいから。ね?ね?すぐに付き合わなくてもいいんだ。まずは知り合うとこからだし。お願い!」
うーん、困った。
私自身、人の恋愛話に首を突っ込んでる暇なんかないんだよねえ。
お兄さんのことがあるし。
それに尊はきっと不機嫌になって『断れよ』て言うに決まってる。
返事に困っていると「じゃあ、お願いね。」とさっさと帰ってしまった。
「いや、あのちょっと!ミッチ!!」
彼女の作戦だろうか、聞こえないのか…。走ってっちゃったよ。
あ~、また悩みのタネが増えちゃった。
頭を抱えているとポンッと誰かが肩を叩く。
「自分の恋愛ぐらい自分で何とかしろよ。なっ?」
「…福田くん。」