それを聞いた俺は舞い上がって、雪乃の愛情は俺のものだと、貴士に勝ったと思った。

だから雪乃がいなくなった時、裏切られたと思った。俺が一番だって言ったのに捨てられたと思った。

色んな想像が頭を過る。
雪乃は俺を嫌いになったのか。
俺が一番と言ったのは嘘だったのか。
はたまた父か母が追い出したのか。

訳がわからなかった。



それからだ、部屋に籠り出したのは。

何もかも嫌になって家族と関わるのも避けた。
どうせ誰も俺の気持ちなんかわかってくれない。

そんなネガティブな思考ばかりが心を占める。

長い間そんな生活をしてきて、部屋から出るタイミングがわからなくなった。」

「……今からでも大丈夫。みんな心配してる。ここから出ましょう、一緒に。」