じっと見つめられて少しドキドキした。
何でそんなにじっと見るの?
ふんわりとした笑顔、包み込むような瞳。
恥ずかしくなって俯いた。
「…綺麗な癖のない髪だな。それは誰に似たんだ?」
「え?…さあ、わかりません。」
「……」
「幼なじみのお母さんが言ってました。母は私を見て、好きな人に似た部分を見つけては嬉しそうだったと。
もしかしたら髪はその人に似てるのかも。」
「…そうか。雪乃は癖毛で、まっすぐな髪がいいとよく言っていたからな。」
「……あの…」
「?」
「どうして母と仲がよかったの?おばさんや北条さんからは聞いてない話をよく知ってるのはなぜ?」
「…そういう環境にあったから。自然にそうなった。」
「……」
「雪乃が来た頃の話をしようか…。」