その夜、友美の言ってたことを思い返していた。
佐古田先輩は海外に行ってしまう。おいそれと会うことはできなくなる。
もし、尊や北条さんだったら私はどうするだろう。
北条さんがいなくなるとしたら、寂しいけど…我慢できるかも。
じゃあ、尊だったら?テニスで海外留学とかだったら…。
ダメだ。考えられない。小さい時からいつも一緒で、傍にいるのが当たり前で…。
あ。
友美もこんな気持ちだったのかも。だとしたら軽々しく言っちゃったかなあ。
ボフッ
ベッドに仰向けに寝転んだ。
「何考えてんの?やけに大人しいじゃん。」
尊が顔を覗き込んだ。
「……ねえ、もし尊にすっごい好きな人がいて、その人が留学行っていつ帰るかわからないって言われたら…どうする?」
「何だよ、それ?」
「例えばだよ。」