徐々に上の方に上がっていく。
でもやっぱり何度も転んで雪まみれになった。

で、この時も…

うわわわ…やだ、転けるぅ~!

前のめりになって頭から転んだ。

ぷはっ

雪の上に座って辺りを見ると、みんなこっち見て笑ってるし!

はっ、恥ずかしー!

「君一人?頭から転けると危ないから、体を横に倒さないと。俺でよかったら教えようか?」

そう言って後ろから声をかけられたけど、ナンパだと思って無視をする。

「おいおい、無視?ひどいなあ。そんなつれないことするなよ。」

その人はクスクス笑いながら、咲の前に回り込んでくいっとゴーグルを上げた。

「え…あれ?北条さん!?」

「誰だと思ったの?」

意地悪そうにニヤニヤしながら咲を見る。

「やだもう!てっきり…」

言いかけて、慌てて口を押さえた。