〈貴士の場合〉
生まれて初めてのスキー場。
辺り一面真っ白で、こんなに沢山降り積もった雪を見るのは初めてだ。子どものようにはしゃぎ回った。
「こんなに沢山の雪があると雪だるま作れちゃうね。」
「あっ、ソリ!!うわあ、楽しそう。ねえ、あれやりたい!」
「スキー用の靴って随分固いんだ。
こんな板長くて歩けるかな…。きゃーっ滑る滑る!うわわわ…。」
「歩く練習だけで疲れちゃった。ちょっと足痛いから休憩してくる。北条さん、滑って来て。」
北条さんはリフトに乗って、高い所へ行っちゃった。
ふう…。
スキーってもっと簡単に滑れるものだと思ってた。結構難しいや。
変に力が入って体が強張ったせいか、肩凝っちゃった。