「そっか。」
今できることを一所懸命やりたい…か。尊らしいや。
「ねえ。尊はさ、悩み事とかないの?」
「ある。」
「へえ、何?」
「咲がすぐ膨れるからどうしたもんかと…。」
「どういう意味よ!」
「ほら膨れた。」
「そんなこと言うからじゃない!」
「訊くから言っただけじゃん。」
「じゃあ、ついでに訊くけど、何で北条さんの話をすると機嫌悪くなんの?」
見る見るうちに眉間に皺が寄る。そんな表情にハラハラする。
何て答える?
尊は背もたれに体を預けて横を向いてしまった。
でもここで引き下がることはできない。
「今から話すこと怒らないで聞いて欲しいの。内緒は嫌だから。」
尊は咲の方を見ると「何?」と言った。