その日、家に帰ってすぐおばちゃんに話をしようと台所へ行くと、ご飯の用意をしていたおばちゃんは、咲の勢いに驚いている。
「あのね、まだ日にちはわかんないけど、冬休みの間にスキーに行ってもいい?」
「スキー?誰と行くの?」
「北条さん。近場だと日帰りで行けるんだって。ねえ、いい?」
「…いいけど、年末年始はダメよ。」
「うん、わかった。言っとく。ありがと、おばちゃん!」
その時、バンッとリビングのドアが勢いよく閉まる音がした。
あ…
「おばちゃん、尊いたの?」
「ああ、そこのソファーに寝そべってテレビ観てたから。」