家の中は暖かくて、冷えた体も徐々に温まりつつあった。

お茶を出してくれたおばさんに話を切り出そうと一呼吸置いた。

「おばさん。この間のお手伝いさんのお話、聞かせてもらえませんか?」

「あら、雪乃さんの話?どうしたの、貴女とは関係なかったんじゃ…。」

「あの時、知らない振りしてごめんなさい。言ってもいいのかどうかわからなくて。」

「まあ。じゃあ、お知り合いだったの?今、彼女はどうしているのかしら。ずっと捜していたのよ。」

「あの…その前に顔を確認させてください。人違いだったら困るので。」

「ああ、そうね。貴士、あなたの部屋に写真なかったかしら?」

「俺の?いや、ないよ。兄貴じゃないの?」

「そうだったかしら。今、博貴は出かけてるのよね?勝手に入る訳にもいかないわね。じゃあ、そこのボードにしまってある写真持って来てちょうだい。」