「コラッ!」

コツンとおでこを小突く。

北条さんは優しい笑顔で咲を見つめた。

「今日ね、水泳大会があって、福田くんわざわざ応援に来てくれたんです。で何かあっちゃいけないとここまで強引について来ちゃった。」

「えー、あいつあの足で行ったの?かえって迷惑かけたんじゃない?」

「そんなことないですよ。みんな福田くんの声援に元気づけられてましたから。」

「はは…賑やかなのは認めるよ。駅まで行くの?乗せてってやるよ。はい。」

予備のヘルメットをシートの下から取り出すと咲に手渡す。

「え…あの…。」

バイク…て乗ったことない。

体…密着しちゃわない…?

戸惑っていると…

「ベルトの締め方わかんないの?貸して。やってやるよ。」