「…昨日もだけど、福田くんて人をのせるのが上手いよね。話してても楽しいし、ムードメーカーっていうの?回りの人たちはいつも笑顔になってる。」
「そうか?それ褒めすぎだろ。頼むからそんなこと真顔で言うの止めてくれ、恥ずかしいから。」
プイッと顔を背けた福田くんの耳は赤い。
クスクスクス…福田くんは照れ屋だということを発見した。
コンコン…
「真聖、調子はどう?」
言いながら入って来たのは彼のお母さんだった。
「あら、お友だち?」
「うん。ノートのコピー届けてくれたんだ。」
「あらあら、お世話になってすみません。真聖の母です。」
「一文字咲です。」
「この子ったらよく喋るから煩くない?家では妹から『うるさい』て言われてるのよ。」