病室をノックして入ると先に誰か来ていて、遠慮しようとすると「お構いなく。」と言われた。

中に入ると福田くんは先客を紹介してくれた。

「一文字、こっちは俺の幼なじみで大学生の北条貴士さん。タカさん、て呼んでる。タカさん、こっちは同級生の一文字咲さん。」

「こ…こんにちは。」

ぺこりと頭を下げる。

何でいちいち紹介するんだろ?別にいいのに。
年上の男の人…て緊張する。

早速、鞄からノートのコピーを取り出して渡す。

「これ、休んでた分のノートのコピー。」

「おう、サンキュー。」

すぐ傍の北条さん…だっけ?のせいだろうか…居心地が…悪い。

「あの…も、もう帰るね。」

「え…今来たばっかじゃん。急ぐの?」

「いや…その…別に…そういう訳じゃ…。」