「何で…何で今なんだよ!?くそっ!!」

バンッ!!

何かをぶつける音がして、怖くなって引き返した。

一階のロビーまで下りて椅子に座ると大きく息を吐く。

明るく元気にしてたのは、気持ちを悟られないためだった。

そうだよ。治るのに時間がかかるんだから、せめて試合の後だったらそうでもなかったのかもしれない。今だから悔しくて堪らないのだろう。あんなに張り切ってたんだもん。

『頑張って優勝狙ってこうぜ』

ごめん、福田くん。咲たちが福田くんの気持ちを楽にしてあげなきゃいけなかったのに。

そのまま病院を後にした。