「そんな…。あ、じゃあ、お願いがあります。」
「何?」
「もう一度、あの曲聴かせて下さい。先輩の都合のいい時でいいですから。」
「お安いご用だよ。落ち着いたら連絡する。」
じゃ、と言って差し出された右手に右手を重ね、ぎゅっと握手を交わした。
「先輩、お元気で。」
「ああ、一文字も。友美、行こうか。」
「またクラブでね。」
「うん。バイバイ。」
二人肩を並べて歩く姿はとってもいい雰囲気で羨ましくなった。
友美にしてみれば、咲と尊がずっと羨ましかったのだから、どっちもどっちといったところなのだが。
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