あれこれ考えているうちに尊がやって来た。
息を切らしながら、「失礼しまーす!」と勢いよく扉を開ける。
「あ、気がついたんだ。」
ほっとした表情をすると、すぐにムッとした顔をした。
「…お前何やってんの。日射病なんて。帽子は?」
「わ…忘れて来た。」
「バカ!こんな日差しの中ウロウロしてたら、日射病になんの当たり前じゃん。」
「…ついでに足も挫いた。」
「…はあ?…嘘だろ、おい。」
「……。」
「歩けねえの?」
「…多分、無理。」
「どうすんだよ。…こっからタクシーで帰る訳にもいかねえし。はああー。」
大きなため息と共に床にしゃがんで頭を抱えた。
「…母ちゃんに…電話してくる。」