「でも尊は来ていいって…。さっきも次は第2コートだって教えてくれた。」
「社交辞令もわかんないの?いい?邪魔なの。わかったらさっさと帰りなさいよ!」
ラケットでぐいっと肩を押され、よろけた拍子に段差につまづき尻餅をついた。
彼女はラケットを突きつけて更に続けた。
「痛い目に遭いたくなかったら、今すぐここから出てって。
それと天宮くんに二度と近づかないことね。今度見かけたらただじゃ済まないわよ。
いい?このこと誰にも言わないのよ。言ったら自分の首を締めることになるだけだから。
行きましょ。」
ぞろぞろと第2コートの方へ去って行く。
そのまま立ち上がることができなかった。
友美が言ってた通りだ。
『気に入らない子に意地悪する。気をつけた方がいい。』
ちゃんと教えてくれてたのに。
友美の言うことをちゃんと聞いてれば…。