早く下りなきゃ。

下を見て、初めて自分がどこまで登ってたのか気づく。

う…高い。ちょっと怖いかも。

でも手足が痺れて、少しでも動くと落ちてしまいそう。
かと言ってこのままでも落ちてしまう。

ど…どうしよう。

オロオロしていると誰かが木の根元にやって来て、

「お、涼しいなここ。ちょっと休憩してこ。」

ゴロンと横になってしまった。

ひええー!!

退いてよ、退いてよおーっ!落ち…落…ち…る…。

ドサッ!

ぎゅっと目を閉じていると、「おい…。」という声。

「す…すみません、すみません。木に登って試合を見てたら下りられなくなって。本当、ごめんなさい!!」

「…もう謝らなくていいから下りろ。」