「咲、乾杯しよう。どうせ母ちゃんが明日するだろうけど、今から二人でお祝いだ。」

「お祝い?何の。」

尊はプシュッとプルタブを開ける。

「メドレー二位、おめでとう。」

咲のジュースにコンッと当てた。

え…。何で…知ってるの?

驚いて言葉が出ない。

「昨日、友美ちゃんが家まで来たんだ。夏休み前から喧嘩したまま、なかなか仲直りしないからどうなってるのかって。」

「そんなこと…友美は一言も…。」

「俺たちのことに首を突っ込むのはどうかと思ったけど、咲が無理に笑顔を作ったりするのを見てられないって言ってた。
俺も疑うような事言って悪かったよ。
で、今日のことを教えてもらった。
ちゃんと応援しに行ったんだぜ。」

「…やっぱり、あれは尊だったんだ。」