友美に答えるけれど気のない返事に、怪訝な顔つきで首を傾げた。
「誰を探してるの?」
「…何でもない。」
場所も時間もわからないのに来れる筈がない。
何を期待してるんだ、私は。
期待しないために場所も時間も伝えなかったんだから。
全ての競技が終わって成績発表になった。
クロールから順に上位3名ずつ表彰される。
友美は三位でとても嬉しそうに賞状を受け取った。
先輩は足を痛めながらも三位。名前を呼ばれて前に出た時、まだ少し足を引きずっていた。
『メドレーの部、女子。』
うわー、来た。
競技が終わった直後、自分のタイムを確認してなかったから、何位になったのかはわからない。