「放っとけそんなの。言いたい奴には言わせておけ。」
「だって…。」
「そんなの一々気にしてたらやってらんねーよ。普通にしてたらいい。それとも俺が咲を追いかけ回してる、て噂だったらいいのかよ?」
「そういうんじゃなくて…。」
そもそも尊が返しに来ないのが悪い。
「ねえ、何でいつも忘れるの?テニスのラケットは忘れたことないのに。」
「…お前、バカ?ラケット忘れちゃクラブできねえじゃん。」
「じゃあ教科書やノートも同じでしょ?」
「…同じじゃねえよ。ラケットは命の次に大事で、教科書やノートはもっとずーっとランク下。」
ダメだ…。ばかばかしくて話になんない。
「とにかく明日から何にも貸さないから。自分でちゃんと用意しなさいよね!ふん!」
言うだけ言うと部屋を出た。