「話があるのは、総長だけだ…あとは通すな」
蝶湖の幹部を一瞥し下っぱに言いつけ背を向ければ後ろからは小さく舌打ち。
まあ、気にしないけど。
「なあ、紫炎」
「…気安くうちの総長に話かけるな」
苛立った波留の言葉にそれ以上は蝶湖の総長も何も喋らず沈黙が漂う中、幹部専用の部屋につき黙ったまま中に入る。
「……お前が言った"ある奴"…まあ大体で予想はつくがな」
「やっぱバレバレだったかー…」
ばつが悪そうな顔をし眉を下げる蝶湖の総長。
「あっ、俺総長で小賀 悠真(コガ ユウマ)まあ一応よろしくな」
「……はっ…誰がお前と仲良くするか」
嘲笑い一瞥すると煙草を取りだし火をつける。
こんな舐めたような茶番劇やらされて仲良くなんて出きるわけない。
…まあ喧嘩出来なかったのは結構残念だったけどな…
「…それより"凛雪"だろ?」
「んー、正解!!あーぁ、簡単にバレちゃったなぁ」
まるで悪戯が失敗した子供みたいに不満そうに話す悠真。
「まあバレたなら仕方ないか。…でもさぁ凛雪は既に気付きかけてるからな」
「……まあ、構わない」
仕方ないっちゃ仕方ない。
その時は――…総長を辞める。
掟も守れない屑が総長でいる資格はないからね……