「……私も、好き…」


蚊の鳴くような声しか出せず更に恥ずかしさで顔が熱くなり布団に顔を埋める。


「…顔、真っ赤だな」


クスリ、と笑い声が上から聞こえ布団に埋めた顔を少し出し、キッと睨むが笑い声は未だに止まない。


「……そんな怒るなって、蓮南に会えて嬉しいんだから仕方ないだろ…」


「……ッッ…」


すらり、と出てくる波留の言葉に更に顔は熱をもち深く布団を被り背中を向ける。



「怒ってるのか…?」

「……顔、赤いから嫌だ…」

「……ッッ……」


少し顔を出し波留を見れば、ふいっと顔を背けた波留の耳は真っ赤になっているのに気付き思わずふふっ、と笑みが溢れる。



「…笑うなよ」

「波留だって笑ったじゃん…」


そんな言い合いをする事さえも幸せに感じお互い同時に笑い声を漏らす。


「……蓮南、絶対に離さない」


笑い声が止んだ室内には、波留の言葉が静かに響きわたる。


顔を引き寄せられれば近づく波留の顔に目蓋を閉じればリップ音をたて軽いキスが落ちる。


「ふふっ…波留、大好きだよ」

「…俺は愛してる」


当たり前に一緒にいてくれた波留。
でも、克が変わって。

"当たり前"

そんなのは、ほんの一瞬だった。


でも、今また君に会えて気持ちが通じて、

当たり前に見える、当たり前じゃない。


そんな日常を君と紡ぐ。




Fin