「もう、時間切れみたいね。…それじゃあ、また会いましょう?」
嫌ッッ…せっかく会えたのに…
でも、声が出ない……ッッ
必死に口を動かしても、声は届かない。
でも、笑顔のままの母を見たら何故か後悔とは違う諦めが心に染み渡り私も母に笑顔を向けた。
『 バ イ バ イ 』
口だけ動かし母に満面の笑顔を向ければ嬉しそうに手をふる母。
その姿を見て、悲しさとは違う涙が頬を伝り地面に落ちる。
最後に母は口だけを動かし言葉を紡ぐ。
その姿を最後に、母は消えた。
お母さん…お母さん。
会えてよかった。
お母さんが最後に伝えた言葉、わかってるよ?大丈夫、守るから安心して。
『 兄弟で仲良く、ね? 』
もう全て終わったから。
お兄ちゃんとも、まだ時間はかかるかもしれないけど。…きっとまた前みたいになるよ。
だって、
―…家族だから、ね?
そこまで考えふわふわとした夢現のなか微笑みを溢せば、意識は途絶えた。
最後に思ったこと。
―…皆に、会えますように。