「…もう、嫌だ…ッッ」
俯き小さく呟く。
こんな暗闇はもう嫌だ…ッ
全て終わったのに、何でこんな事になっちゃったんだろ……
――…こっちに…来たら…―
「…え?」
―…こっち…光があるよ…―
「…何処なの?どっち?」
不意に聞こえた声に、耳を傾け上を向き尋ねる。
―…こっち…仲間がいる…よ…―
「…仲間、皆に会えるの…?」
声を張り上げ尋ねるが声はもう届かない。
その代わりに一筋の道が暗闇のなかに浮かび上がる。
「…ここを辿れば……」
―…皆に会える。
そう信じ立ち上がり道へと歩きだす。
――…駄目…来たらイケナイ…―
「皆に、会えるんでしょ?」
さっきまでとは違う言葉に訝し気な顔をしながらも僅かな希望を抱き道へそって歩き続ける。
―…駄目…来たらイケナイ…―
「言ってることが違う…」
疑問に感じながらも今は少しでもある希望に歩く足は止まらない。
――…駄目…戻れなくなるから…―
「……どういう、意味?」
立ち止まり、声に向かって言うがそこで声は途絶える。
「……進むしか、今はない…」
少し不安に感じながらも言い聞かせるように呟き再度足を進ませる。
―…駄目…絶対に後悔する…―
先程から聞こえる声にもう一度足を止め黙り込む。
―…私の…宝物…―
「……ッッ…まさかッッ…」