「…蓮南…ッッ」


静かな院内に響くのは悲痛な声。暗い室内に不気味に光るのは手術室の赤いランプ。


「……蓮南、助かるよね?」

「…あ、当たり前だろ!!」


不安気に漏らした千鶴の言葉に吃りながら答える恵都。


「煩いよ二人とも」

「…助かるに決まってる…」

「俺らが信じなくて誰が信じるんだよ…ッ」


少し苛立ったように話す塁に続けて不安気を隠せずに言う大雅と蒼。


「安心しろよ…蓮南は助かる」

「…柄じゃねえけど神頼み、か」

椅子に座り祈るように呟く伊折と波留。


「俺、少し外すから…あんまり心配してんじゃねーよ?」


「ああ、蓮南に怒られるぞ?」


気丈に振る舞う洋一と翔の煙草を持つ手が小刻みに震えるのを見て回りも力強く頷く。


「…本当、かっこいい人達だな」

二人がいなくなった場所に響く大雅の言葉に「あぁ」とそれぞれに口を零す。