「……やっと、か…」
パチリと目を覚まし布団のなかで一人呟く。
現在の時間が18時…まあ余裕かな…
そこまで考え布団から起き上がれば、今までの克との思い出が頭を過ぎり何とも言えない心境のまま支度をして皆の待つ倉庫へと向かう。
「…おはよう」
「おっ、相変わらず遅いな」
倉庫に着き部屋には既に皆揃っているなか大雅に軽く挨拶をしてソファーに腰掛ける。
「昨日、裕香の護衛してたのか…?」
「んー…まあ仕事だし」
「…そうだよな、裕香から何か聞いたか?」
「え?ああ…まあ」
妙にそわそわしている波留を訝しげに見ながら答えれば横にドサっと蒼が腰掛ける。
「…ついに、って感じだな…」
「…皆のこと私信じてるから…」
そう言えば驚いたように目を見開く波留と蒼。
「…ああ、知ってる」
「俺らも蓮南を信じてる」
口元に笑みを浮かべ話す二人に微笑み返し時計を見れば約束の時間まであと一時間。
「……皆、今日は本当に来てくれてありがとう」
改めて皆に言えば一人一人、微笑んでくれる。
今の素直な私の気持ち。
…本当に皆には言葉では伝えきれない感謝の気持ちがある。
「…俺らの総長は蓮南だ。海炎に入った時から蓮南は一生の仲間だ」
「ああ、そうだな。蓮南と出会えたのは運命なのかもな」
「…波留の言う通りだよ!!僕たちはずーっと蓮南と一緒だよ!!」
「そうだぜ!!蓮南は最高の総長だ!!」
海炎の四人の言葉にグスッと鼻を啜り涙をぐっ、と堪える。
「俺は蓮南に出会った時から、お前のもう一人の父親だ…ずっと大切な娘だ」
「ボスの言う通りだ…俺にとっても蓮南は家族、俺の唯一の妹だ」
「…俺は蓮南の先輩だが、お前は本当に最高で一番の後輩だ」
「蓮南は俺が認めた唯一の女であり何にもかえられない大切な宝だ」
劉 浬津 洋君 翔君の言葉に堪えている涙が今にも溢れ出そうになる。