「…つまんない…」
夜の繁華街を少し抜けた路地裏にはその場にはあまり似つかわしくない一人の少女が立ち尽くしている。
少女は誰に言うでもなく小さく呟いた言葉を漏らせばふと空を仰ぎ見る。
「……最悪…」
綺麗な星空を見て眉間に皺を寄せ不愉快そうに言葉を漏らすと不意に足元でなにかが動く。
「…お前…何者だ…ッッ…」
少女の足元には男達数人が血塗れで横たわるが一人は弱々しい息をしながら少女の足を掴み言葉を漏らす。
「あれ?意外に強いね」
少し驚いた様に瞳を揺らがせれば口元は美しく弧を描く。
「……ウアッ…ッッ…」
少女が勢い良く男の鳩尾を蹴れば男は呻き声を上げ気を失い動かなくなる。