俺は勢いよく放送室の扉を開けた。



そこには彼女の後ろ姿があった。





「市……ッ」








「……新政くん?」




市は振り返って、今にも泣きそうな顔になる。



「あ…あらましゃくん…ッ。ごめんね…市もう無理。」


そしてとうとう泣き出す。


肩を震わせて。




「ずっと…戦国ゲーム命だった。真田幸村も伊達政宗も浅井長政様も濃姫さんも阿国ちゃんも大好きだったッ。」



「………………。」


よくわからないけど。うん。



「でも…市もう無理なのっ。戦国ゲームしてても全然楽しくなかった。愛しの長政様見てても…何とも思わなかったの。」










「それは…何で?」



市は顔を上げると、俺を見る。























「新政くんが…好きだから。」