「……か、寒天残ってはるからすぐできますわ!あんこ混ぜましょ。」


里子ちゃんは何かを隠すように話を逸す。


不思議に思ったが、初めてのあんみつ作りだったためすぐに忘れてしまった。






「この可愛いカップに寒天のせましょ。」


「あ、かわいーッ♪」





ミカンを用意して…


黒蜜を混ぜて…


サクランボを洗って…






一生懸命に楽しく作っていて私は思った。












まだ私にも女の子の要素が残っていたのか!!(・∀・)










「お市さんは…清ちんさんが彼氏なん?」


急に里子ちゃんがそう言い出したため、私はつまみ食いしたミカンを噴出す。



「ゴホッ…ゲホッ…ぜ、全然違うよ!!」



「あらそうなん?てっきり恋人様かと…」


び…びっくりした…。

市達ってそう見えんの?



「それじゃあ他にいるんよね?」


「う…うん?彼氏…じゃないかも?」


「どして?」



私はあんこを混ぜていた手を止める。




「付き合ってって言われたけど…まだいいよなんて言ってないし…それになんか変なのッ。市恨まれるようなことしたのに…」



ふぅんと里子ちゃんは頷く。