「…お前言ってることめちゃくちゃだぞ。」





「はい!おしまい!」


ミネちゃんが私達の中に割って入ってくる。

サラサラの茶髪の髪の毛をかき分けると、ニコッと微笑んだ。


「あたしが聞きたいのは今日あんたが告白されたことについてなの。」


「…告白ぅ?」



「そうよ。あんた…あんっなにカッコィィ後輩振ったんだって!?この前もそうだったじゃない!サッカー部の今井先輩とか野球部の大島くんとか…!」



「うん。振ったよ。」


「なんでよ!?」





「だって、浅井長政がいないんだもん。」
















………は…………?








「市ね、浅井長政様が大好きなの」



皆はしぃ…んと静まり返り、ミネちゃんが呆れ顔で私におそるおそる尋ねる。



「えっと…それはどういうこと?浅井長政って戦国時代にいた人だよね…?」





※浅井長政とは?


1545~1573年。


織田信長の妹・お市の夫。しかし信長に背き、朝倉義景や本願寺と結んで姉川で戦った武将。









「もぉ凄い素敵なの漢らしいっていうか…お市の恋人なんだけどねっ、紳士っていうか王子様っていうか…金髪で背が高くて…」







…コイツ…





「馬鹿だ………。」



清史が冷めた顔で呟いた。


ミネ達も頷く。







「お前…絶ッ対ゲームの中しか知らないだろ…。」



「同感よ。お市。」






その日は誰も私に近寄らなかった。(泣)