すると勝人クンは大きいマスクを外した。



「どうもこんにちはッ。僕…ミネ先輩とお付き合いさせていただいてます1年の大嶺勝人っス。よろしくっス。」


「ああああああ!!!!!!」



私は同時に物凄い悲鳴をあげる。


周りのお客さん達も皆私の方を見ている。



だって…ッ


だってッ





この人前田慶次にそっくりなんだもーん!!!




※前田慶次とは?


戦国時代末期に生まれた武将で、本名は前田利益。


資料がほとんど存在しないため、その生涯には不明な点が多いが、天下きっての傾奇者として有名。








「な、なんスか!?」


慶次…いや勝人クンはビックリした様子で慌てている。


そりゃそうだ。初対面の人にいきなり指差されて叫ばれたら誰でも驚くだろう。



「すみません。コイツ時々…いや毎回イカれてるんで。」



清ちんがナイス(?)なフォローをしてくれたが、後から店員に怒られた。






「まったく…とんだ迷惑だよ。」


清ちんは皆と別れた後、そう呟いた。




私はさっきの前田慶次の衝撃が忘れられなくてさっきから興奮しっぱなし。



あの大きくて凛々しい腕。


厳つい表情で見るもの全てを驚かす気まぐれの殿……





なにより…ミネちゃんが可愛かったこと。




恋をすると人はあんなにも綺麗になるのだろうか…。