私の通うこの学校は、

"神奈川県立高原総合高等学校"だ。

略称は、"高総(たかそう)"。


高総は、名前の通り総合学科で、単位制の学校だ。


単位制だから3年間で決められたら単位をとらなければ卒業できない。

だから留年などが不安で私の中学からは、志望する人が多くはなかった。


でも私は、どうしてもこの高校に入学したかった。


周りの友達からは何度"不安じゃないの？"と聞かれたことか。


確かに私も、全く不安じゃないわけではなかった。


でも、不安よりも入りたい気持ちの方が大きかった。


総合学科だと、2年生から自分でカリキュラムを組むことができる。


それは、将来自分が進みたい道へ向かって選んだり、興味のある学科を選択したりすることができる。


だから私は、この学校で自分の学びたいことを学んで楽しい未来を探しに行きたいのだ。


そして単位制っていうのは、私にとってある意味ラッキーだ。


なぜなら、イヤでも勉強しなくてはいけなくなるからね。


勉強しないで留年するのは自分だし、そんなのは絶対に嫌。


だから私は、この学校に入学したいと思った。


みんなから何を言われても、私は高総だけを志望する。



私は、みんなには見つけられなかった高総のいい所を見つけることが出来たからね。


と言っても、ただよく聞こえるように言っているだけなんだけど。


だけど私は、悪いものもいいように考えれば、楽しくなるかなぁ、なんて思ってみたの。


高総は、一学年6クラスで一クラスに約40人程いる。


私はA～FまであるうちのF組に所属している。


まだこのクラスになってから一週間しか経っていないけど、結構友達が出来たの。


その中でも一番最初に仲良くなったのは、同じ1班の桐山綾乃。


綾乃は中2の時にこっちに引っ越して来て、元は関西に住んでたんだって。


だからって関西弁ばかり話すわけでもなくて、たまに少しなまっちゃうくらい。