世の中には、モテ期と言う単語がある。
それは誰もが一度は耳にしたことがあるだろう。
噂によれば、人は人生で3回はそのモテ期を経験するという。
今や、ネット上のサイトなどで自分のモテ期を知ることが出来る。
だが、それが確実とは誰も証明することはできない。
しかし、中にはそれを信じて楽しむ者もいる。
今年の4月に神奈川県のとある高校に入学した1人の女子生徒は、中学生最後の年に"モテ期診断"というサイトに出会った。
彼女は、その占いを信じる側の者だった。
いや、正式には信じる側の者になってみた、という表現の方が正しいのかもしれない。
人生は楽しんだもの勝ちだと、私は思う。
だとしたら、彼女は勝ち組ということになる。
しかし、みんながみんな勝ち組というわけではない。
なぜなら、この男子がいい例だ。
彼は、彼女と同じ高校に入学した1人の男子生徒。
小学生の頃からサッカーを続けているが、夢はサッカー選手ではない。
彼は今、自分の夢を見つけられずに悩んでいる。
どうすれば楽しい未来が見えるのかがわからないのだ。
"夢"。それは誰もがいつかは抱くもの。
……だと信じたい。
これは、夢に向かって前向きな女の子と夢を見つけられずに彷徨(さまよ)う男の子の小さな恋物語。
~*夢架Side*~
私は占いなど全く興味が無かった。
信じようと思ったこともなかった。
そんな私が"モテ期診断"というサイトに出会ったのは、中学3年生の時だった。
それは、人生で3回あるという、自分のモテ期を調べようというものだった。
今まで告白されてはふって、また告白されてはふっての繰り返しだった。
そして高校生になった今、新しい自分を探そうと、恋をしようと心に誓った。
でも、そう簡単に自分を変えることなんてできなかった。
そんなの、とっくに分かり切ってることだった。
まず、何をすればいいのか必死に考えた。
でも、見つからなかった。
だめかもしれない、でも努力をしなければ何も始まらない。