「でも……あたし

 はあなたを殺した

 くもなかったのよ

 。ふたりで外に出

 ない道だって、あ

 ったはずだわ」

 岩壁が緩やかに開

 いていく。染みだ

 すように射し始め

 た明るい光が、血

 に染め上げられた

 あたしたちを照ら

 しだす。それは断

 罪のような祝福だ

 った。

 「ななみ、外よ」

 泣きながら何度も

 叫んだ。