あたしたちは呪い のような声をふり きるように駆け出 した。 走る、走る。 大丈夫。 あたしたちは一緒 に外へ行かれる。 大丈夫。 風のように走る。 不気味な壁が眼前 を閉ざす。立ち止 まらないわけには いかない。 あたしの右手で光 るナイフ。 ななみの左手で輝 くナイフ。 「どうする」 「どうする」 じりじりと横目で 見つめあう。