肩で息をしながら

 通り抜ける。

  残り三人。あた

 しとななみは互い

 を放すまいと、必

 死に手を握りあっ

 た。このまま外に

 出られますように

 。もう行き止まり

 になりませんよう

 に。祈りながら足

 を進める。だけど

 壁は現れた。向こ

 う側へ行くには、

 ひとり犠牲にしな

 くてはいけない。

 あたしたちは目配

 せして、振り返っ

 た、ナイフをじっ

 と眺めていた女に

 刃(やいば)を降

 らせた。