再び、岩壁に行く

 手をはばまれる。

 女たちの列に、電

 気のような怯えが

 走る。先頭のなな

 みは、値踏みする

 ようにへいげいす

 ると、形の良い唇

 を血が滲むほど噛

 んでいた女を選ん

 だ。選ばれた女は

 紙のように白くな

 る。

 「さあ、首を切り

 なさい。一番血が

 出るところを。じ

 ゃないとみんなで

 あんたを殺すわ」

 先頭のななみの声

 を受けて、女たち

 の瞳が異様な輝き

 を帯びる。