「あたしがななみ

 よ!」

 「あんたたちなん

 なのよ」

  パニックを起こ

 しながらも女たち

 は歩くのをやめな

 い。やめられない

 のだ。見えない糸

 で先頭の女に引き

 ずられてでもいる

 ように、止まれな

 いのだ。あたしと

 隣のななみは、震

 えながら繋いだ手

 を握りあう。足が

 いうことをきかな

 い。

 怖い怖い、もう進

 みたくない。冷や

 汗をかきながらつ

 いていく。